医学部予備校が利用する教科書・参考書の質や市販教材について解説
医学部予備校では医学部受験に特化した専門的な授業を行っていますが、各医学部予備校で利用している教科書・参考書等は異なります。
ここでは各医学部予備校がどのような教科書・参考書等を用いているのか、その内容や特徴、入手法などをご紹介します。
医学部予備校で利用している教材が気になっている受験生は是非ご参考にしてください。
医学部予備校はどんな教材を利用?
授業で用いる教科書は医学部予備校の方針や授業形態で異なり、以下のような傾向がみられます。
- 集団授業の場合⇒医学部予備校のオリジナルテキスト
- 完全個別指導の場合⇒市販の参考書+各々の講師のオリジナルプリント
- グループ指導+個別指導⇒医学部予備校オリジナルテキスト+市販テキスト
集団授業の場合
集団授業を行う多くの医学部予備校は授業教科書としてオリジナルテキストを用いています。
これは、目的・レベルが同じ受験生達が集まっているため、医学部に特化したテキストを用いて演習授業を進める方が効率がよく、過去問を用いているためモチベーションが上がり適度な競争意識を保たせることが出来るというメリットがあります。
完全個別指導の場合
完全個別指導の場合は様々なレベルの生徒に対応できるようにレベル別志望別に生徒にあった市販の教科書・参考書等や学校準拠教材を用いることが多いようです。
また、必要に応じて講師が生徒ごとのオリジナルプリントを作成しオーダーメイドの授業を展開することもあります。
オリジナル教科書・参考書等の内容紹介
集団授業を行う医学部予備校の作るオリジナル教科書・参考書等はどのような内容なのでしょうか。
ここでは気になる内容・入手法をご紹介します。
私立医学部合格のために特化
各医学部予備校の講師達が私立医学部入試問題を精査し問題を選定したテキストで、多くの医学部予備校が毎年のように内容を見直し、構成しなおしています。
大学別の傾向だけではなく、最近の流行りの問題なども網羅していることが多いため、私立医学部志望でかつ志望校がしっかりと決まっている受験生にとって合格にとって必要な知識が効率の良く吸収できるアイテムといえるでしょう。
取捨選択された内容
大学入試では満点を取る必要はありません。合格点を超えればよいのです。
多くの市販の参考書や学校準拠テキストは、重要度の強弱が少ないため、何を覚えてよいのかわからないという声をよく聞きます。
対し、医学部予備校オリジナルの教材は「合格に絶対に必要な問題」「周囲に差をつけるためにできた方が良い問題」「捨てた方が良い問題」を明確にしているものが多く、学力が合格に達するボーダーラインの受験生にとって効率的な学習の実現が期待できます。
医学部予備校オリジナル教科書の入手法
基本的にその予備校に入塾しなければテキストは入手できません。
入塾せずに手に入れるためには、先輩から譲ってもらったり、フリマサイトで購入するしかないでしょう。
授業で使われる市販テキスト
生徒によって扱うテキスト若干は異なりますが、ここでは一般的に多くの医学部予備校が授業の教科書として採用している市販テキストを紹介していきます。
どのような市販教材が選ばれているの?
数学や理科などの理系教科の場合はまず、基礎固めのため典型的な基本問題をしっかり落とさず解けるようになることが重要です。
そのため、完全個別指導の医学部予備校の多くは現役生を中心に市販教材や学校準拠教材を使っています。
これは、川崎医科大学や金沢医科大学・帝京大学・福岡大学などの医学部受験では基礎問題を確実にしっかりとれれば十分に合格点を上回ることが可能だからです。
基礎が固まっている受験生に対しては、準拠教材は宿題用、授業では以下に記したような市販問題集若しくは過去問を中心に授業を行っています。
中学レベルの内容が怪しい生徒に対しては「これで分かるシリーズ」(文英堂)を用いることも多いようです。
英語
- DUO3.0(ICP)
- ネクステージ(桐原書店)
- 英文法・語法Vintage(プルート出版)
- 全解説頻出英文法・語法問題1000(桐原書店)
- 基礎英文問題精講(旺文社)
- 基礎英語長文問題精講(旺文社)
数学
- 理解しやすい数学(文英堂)
- 合格る計算(文英堂)
- 標準問題精講数学Ⅰ・A(旺文社)
- 標準問題精講数学Ⅱ・B(旺文社)
- 標準問題精講数学Ⅲ (旺文社)
- 新数学演習(東京出版)
- チャート式解法と演習数学(主に黄色・余力があれば青チャート)
物理
- セミナー物理(第一学習社 学校準拠)
- 物理のエッセンス(河合塾)
- 良問の風(河合塾)
- 名問の杜(河合塾)
化学
- セミナー化学(第一学習社 学校準拠)
- エクセル化学(実教出版 学校準拠)
- リードα化学(数研出版 学校準拠)
- 化学の新演習(三省堂)
- 医学部の化学(旺文社)
- 図説
生物
- セミナー生物(第一学習社 学校準拠)
- リードα生物(数研出版 学校準拠)
- 基礎問題精講(旺文社)
- 大森徹の最強講義117講(文英堂)
- 図説
医学部予備校出版の問題集
授業で用いている教科書とは異なりますが、一部の医学部予備校は一般受験生用に入試問題集を出版しています。
以下ご紹介する書籍はともに私立医学部入試対策ができる過去問や過去問を軸に改訂された問題集です。
授業で行う解説に近い内容が記されていることに加え、赤本に掲載されていない後期日程の入試問題や解答・解説も掲載されているものもあり、昭和大学のⅡ期日本医科大後期の受験を考えている受験生にはおすすめです。
どのテキストも基礎固めが終了した後の過去問演習の段階で利用するとよいでしょう。
医学部予備校出版物一覧
出版物名 | 価格 | 特徴 | 購入方法 | 出版医学部予備校 |
---|---|---|---|---|
医学部予備校Windon 標準問題集 (英語・数学・化学・生物) | 各1980円 | 様々な私立大学の入試問題が網羅。理科は用語集も収録。 | Amazonや公式HPで購入可能 | 医学部予備校Windon |
医学部入試攻略本 6冊セット | 4980円 | 有名大学の優良問題を科目別に集約し、一人でも学べるような詳しい解説付き | 公式HPで購入可能 LINEで友達登録すると1000円割引 | 医学部予備校Windon |
医学部専門予備校YMS 難関私立医学部入試対策本 医学部5G | 5500円 | 慶応・日医・順天・慈恵・昭和に絞った対策本。二次の面接小論文対策まで記載あり | Amazon 楽天ブックスで購入可能 | 医学部専門予備校YMS |
私立医学部入試攻略本 医学部合格の栄冠 | 2200円 | 二次試験や傾向を網羅 | Amazon 公式HPで購入可能 | 代官山メディカル |
医学部予備校のオリジナル教科書は必須?

私立大学医学部合格を目指す場合
私立医学部の場合、大学によってかなり偏った傾向の問題が出題される場合があります。これを把握して対策することが合格のための効率の良い勉強法です。
よって私立医学部入試に特化した医学部予備校のオリジナル教材は非常に有効といえます。
特に、ある程度の基礎はできているが模擬試験で点数が取れないという応用力が乏しい、アウトプットが苦手な受験生は私立大学医学部入試の過去問や類似問題が集まった問題を集中しとくことで合格の可能性が各段に上がるといっても過言ではないでしょう。
国公立大学医学部合格を目指す場合
国公立医学部の場合は、単科大学を除いては基本的にすべての学部と共通の入試問題を課すところがほとんどです。
よって、「医学部受験に特化した知識」をつける必要はありません。
共通テストで高得点をとれる思考力や個別試験で基本的な知識をアウトプットする力を養う必要があるのです。知識の穴がないような勉強が重要でしょう。
多くの医学部予備校オリジナル教材は私立医学部対策に特化した構成になっているため、国公立医学部志望の生徒にとってはそれほど必要ないでしょう。
まとめ
医学部予備校で使用される教科書・参考書等は医学部受験対策を行うには最適なものばかりです。
特にオリジナル教科書や参考書等は私立医学部受験対策には非常に効率的なアイテムといえます。
しかし、オリジナル教材のほとんどは授業で使用するために構成されているので、授業での講師の解説があって初めて最大の威力を発揮するものです。
フリマサイトで過年度の教科書を譲ってもらうことも出来ますが、実際に医学部予備校に入塾して新年度用のテキストでカリキュラムどおり授業を受けることが合格の近道といえるでしょう。
もし、遠方で医学部予備校にいけない場合はオンラインコースや季節講習などで実際に授業をうけてみましょう。
その際、一部教材を購入もしくは譲ってもらい使い方をしっかり聞いた上で自学習に利用するのも効果的です。
市販・オリジナル共に、教科書や参考書等は正しい使い方をすることでしっかりとした学力が習得できます。
医学部受験控えている受験生はブログや高校の先生・医学部予備校の講師のアドバイスなどを参考にしながら、自分に合った参考書を正しくつかって合格を掴んでください。